唇を塞いで



それから、数日経って
あたしがアメリカに行く日が決まった


いまから二ヶ月後の9月だった


のんちゃんには全て話すことにした


「あたし…アメリカに行くの。学校、卒業しないで行くんだ」

「え?!それ…本当なの…」

「うん……9月に」


「そんな早く……坂井くんは…どうするの」


「きっぱり別れるよ」


「どうして?だって戻ってきてからだって平気でしょ?!」

あたしだってそうしたいよ
でも、できないから…


「あたし…日本には帰らない」




< 210 / 239 >

この作品をシェア

pagetop