唇を塞いで
「ど……して」
「あたし、妊娠した」
「……へ?妊娠…?う、嘘…」
「嘘じゃない。京には言わない。きっぱり別れるって決めたから」
のんちゃんは静かに涙を流した
あたしはそんなのんちゃんを見つめるしかできなかった
「しぃちゃん…大丈夫なの?体は」
「うん……ごめんね…でも京だけには言わないで」
「じゃ、坂井くんは何も知らずに…」
「それがお互いにとって一番いいと思うの…でも、産むよ。この子は…あたしの家族だし」