唇を塞いで



この子にはあたししかいないんだもん

無意識にお腹をさすっていた


「わかった…言わない。でも…私…辛いよ。しぃちゃんと坂井くんが……」


「あたしだって嫌だよ!!
あたしだって京とずっと一緒にいたい。お父さんにも言ったよ。でも、ダメだったから…」


永遠なんてないんだよ
永遠に一緒にいるなんて夢のまた夢


「しぃちゃん…大丈夫。私がいるよ…泣いて…いいんだよ」


それを聞いて今までこらえていたものが溢れた

この子は神様からの贈り物なんだ。

あたしが守ってみせるよ





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