唇を塞いで
こんな風に終わるなんて思ってなかった
ていうか、終わりが来るなんて思ってなかった
ずっと、永遠に一緒だと思ってた
「好きだ」
そう言って京はあたしにキスをした
そうだ…
あたしに優しくキスするこの唇も
あたしを包むこの腕も
あたしを呼ぶ低くてハスキーな声も
あたしを見つめるこの瞳も
おおきな背中も
もう見られない、聞けない、触れられない
全部が愛おしい
もう最後は近づいている
「京っ……」
京、最後まで
あたしの
唇を塞いで……