唇を塞いで
サヨナラ
あれからの二ヶ月、あたし達は一緒にいない日がなかった
少しでも離れているのが嫌だった
それでも、サヨナラをする日は刻一刻と近づいていた
「しぃちゃん」
お昼を食べながら、のんちゃんが改まったように言う
「なに」
「お腹の子のこと、本当に言わなくていいの」
5ヶ月目に入ったところだった思っていたよりお腹は目立たなくて、
誰にもバレていない
「どうして」
「隠しているのは、やっぱり酷いよ…だって……坂井くんの…赤ちゃんでもあるんだよ?」