唇を塞いで



のんちゃんは深く息を吸い込んだ


「しぃちゃんのお腹に命が宿った瞬間から坂井くんは、切れないの。
坂井くんはしぃちゃんの一部なの…だから…切り捨てるなんて…言わないで」



「じゃあ……じゃあどうしろっていうの?!そんな…二度と会わない人に……」


あたしの目からの涙が溢れた

本当は分かってる

ちゃんと言わなくちゃならないことだって、分かってる



「会わないなんて決めつけないでよ!!しぃちゃん坂井くんの幸せを考えてる?!」





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