唇を塞いで



「考えてるよ!!」


「それで坂井くんが……切り捨ててなかったことにするのが坂井くんの幸せだと思ってるの?」



あたしはのんちゃんの言葉に頷けなかった


でも、あたしがする事はきっと間違いじゃない

京のためにすることだから…



「しぃちゃんバカだよ…大バカ……」



そう言ってのんちゃんは屋上を出た


「ど…しよ…ママ…強くないね…」


お腹の赤ちゃんに呼びかけた


ねえ…どうしよう……


でも、京には言えないよ





< 226 / 239 >

この作品をシェア

pagetop