唇を塞いで



それから一週間後の今日


「詩希、用意はできたか」


「うん……」



とうとうあたしは行くんだ



車の窓から懐かしい景色が流れていく


ここともお別れだね





空港にはのんちゃん達がいた


あの日からのんちゃんとは少しもはなしていなかった



「詩希~!!」


沙織ちゃんがあたしに飛びついた


「詩希がいなくなるなんて寂しいよぉ」


「ありがと…あたしも寂しい…」


沙織ちゃん以外にもクラスの何人かがあたしとの別れを惜しんでくれた





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