唇を塞いで
「京!!待って…あた…」
あたしは言葉を無くした
京はあたしをものスゴい顔で睨んでいた
「話しかけんな」
どうして?
あたし…なんもしてないよ?
怖かった
「ホラ。坂井もあぁに言ってるし、よくね?」
放心状態のあたしには矢野くんの声なんて聞こえなかった
今日の授業は一日中、上の空だったと思う
いつもいる京は当然の如くいないし……
あっ!
京がいる…
あたしの席から丁度見える校庭で、女の子と笑いあっていた