唇を塞いで
「は?だからダメだって」
「え……」
「オレのものだから」
は?
あたしはあたしのものであって他の誰のものでもない
それにあなたのものになる気は更々ない
そう思っても矢野くんが恐くて言えなかった
現地に着けばもう自由行動
みんなは登山をする方向に行ってるのに矢野くんはみんなから遠ざかる
夕方になって回りが暗くなった頃矢野くんはやっと止まった
「ここ……どこ?」
「詩希ちゃん、オレさー……詩希ちゃんとヤりたい」