唇を塞いで



女の子は言葉を切ってあたしを見た



「だぁれ?この子?」


あたしを凄いかおで睨む



「詩希、行こう」


京はあたしの手を強く握って歩き出した



学校に近づいていくほど騒ぎ声が大きくなる



「京一!!!その子が彼女?!」


「うん」


京はあたしの手を一層強く握ってうざそうに答えた



「ふんっ…悔しいけどこの子には勝てない…」


勝てないって…
勝負してないよ


みんなが騒いでる理由が分かった

学校一のモテ男が彼女を作ったからだ





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