学校の王子様!!①
「雅翔がなんと言おうと泊まるから」
マジでか!?
抵抗とかねぇの!?
咲羅が携帯を取り出して誰かにかけはじめた
「もしもし青葉?今日俺泊まるから。はぁ?無理?嫌だね、誰ん家かって?雅翔だよ、余計ダメ?ざけんなよ、お前もう使えねぇ」
ブチッ
「もしもし椿?今日泊まっていい?え?雅翔ん家だよ、は?雅翔に代われ?分かった」
俺に差し出される携帯電話
………俺!?
「もしもし…」
『あ、雅翔君?』
「はい」
『咲羅がわがまま言っちゃってごめんね』
「いえ……」
『で、なんで咲羅は君ん家に泊まりたがってるの?』
「あぁ、それは俺が仕事ばっかしてて休まないから……ですかね?」
『なるほどね』
「どうかしましたか?」
『咲羅はたまに意味のわからないことを言い出したりするんだよ』
「そうなんですか?」
『うん、でもそれは咲羅の優しさなんだ』
「優しさ?」
『そう、優しさ。咲羅なりの』
「咲羅なりの……?」
『きっと君の体のことを心配してるんだよ』
「俺の……」
『じゃあ咲羅は今日泊まるらしいから、よろしくね』
「え!?」
ブツッ
…………切られた…
「なんだって?」
「よろしくって」
「OKだったんだな!!」
咲羅は俺から携帯を奪ってソファーに戻っていった