【企】携帯水没物語
東佳'sメモリー
翌朝、学校に行かないと宣言すると、やっぱり、怒られた。
わかる。
わたしの我儘だから。
お母さんはわたしの部屋のドアを叩きながら、キンキン怒鳴っていた。
ごめんね、お母さん。
心配も迷惑も、かけないつもりだった。
ずっと
一生?
ずっといい子、してきた、つもり。
高校もいいところにいけるように、勉強も頑張って、反抗とかしないようにして、親の悪口は言わないで。
お母さんがお父さんの悪口言っても、わたしは言わないくらいに。
うちは元・母子家庭で、お母さんが苦労してきたの、全部じゃなくても、知ってるから、いい子になりたくて。
お母さん、守ってあげたくて。
だけど、ごめんね。
学校、行きたくない。
わたしが弱いから、
無理だから。
鍵のかかったドアをへだてているけど、いや、だから余計に、すごく罪悪感を感じて、わたしは動けない。
嵐が過ぎるのを待つみたいに、じっとしている。
ずるい、わたし。
身体中から嫌な汗が滲んで、動かない。
わたし、悪い子になります。
その一言で片付けてる後ろめたさはあるけど、逃げたい。
キレていたい。