【企】携帯水没物語
わたしは先生にメールをしながら思う。
先生、陽人さんは優しい。
だけど、陽人さんはわたしをおそれてる。
近づくことを、関係をつくることを。
わたしは知らないふりをする。
こわいって自覚するのがこわい。
もうすぐ弟が産まれるの。
すぐに現実に向き合う時がくる。
“和樹”が産まれたら、わたしは離れてしまう。
“東佳”は離れてしまう―…
陽人さん、
お母さんに出会えてよかったね。
お母さん、
料理上手で、
キレイで、
やさしくて。
わたしが引っ付いてたけど。
もっと早くに出会えてたらよかったのにね
わかる?
かるく 否定してんの
“東佳”のこと