【企】携帯水没物語
抵抗虚しく、ケータイは奪われてしまった。
慌てて取り返そうとしても、今度は彼等同士で激しく取り合いになっていて、触れることすらできない。
止めて!!
そんなに乱暴に扱ったら壊れちゃう!!
ケータイ返して!!
わたしの叫びは何一つ届かない。
その時だった。
ケータイは空をとんだ。
誰が投げたのか、はたまた、うっかりそうなってしまったのか、とにかく、ケータイは空をとんだ。
みんなが視線でそれを追った。
ポチャン
プールまで飛んでいくなんて、
あり得ないだろ、普通。
彼等はうめき声を発していた。
わたしは―…
信じられなくて
そんなまさか
ケータイ水没なんて
終わりじゃん
「「いやあああああああああああああああ!!!!!」」