【企】携帯水没物語

学校に向かってしばらく歩いていると後ろから足音が聞こえた。


「東佳ーっ!!!」


わたしに追いついた陽人さんは、肩で息をしながらビニール袋を差し出した。


「はっ、はぁ、これ、弁当っ」


走ってコンビニで買ってきたらしい。

中身は片側によってしまっていた。

心がじんわりと熱くなった。


「ありがとう……………………お父さん」


陽人さんはパッと顔を上げて、ニカッと笑った。


< 65 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop