【企】携帯水没物語

わたしは歩きながら、思う。

もう一度、あの時の茶髪くんにあったら、
もう一度「里奈とのちがいは」って訊いてくれたら、わたしは今度こそ答える。


「だって、わたしは里奈じゃないから」


って。


きっと今も、わたしは死ぬことの隣を歩いていて、その一線は、簡単に踏み外してしまえるんだろう。

だけど、わたしがその一線を見失わないかぎり、その一線を越えることはないはずだ。


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