海より深く 空より広く
子供の時、
いつも一人ぼっちだった。
友達と呼べる子なんていなくて、
いつも一人で遊んでた。
父親の仕事で何度となく転校をした、
長くて同じ場所に数年。
その数年の間に唯一の友達が出来た。
しかし、離れる事になった時に
友達をつくるのはやめた。
別れの寂しさを知ったからだ。
どうせまた離れる事になるのなら
仲良くしても悲しくなるだけだ、
それならば一人で居るほうが楽だった。
変な子。
私はいつもそう呼ばれた。
でも、全く気にもしなくなっていた。
だってすぐに離れるのだから。
一人で何処にでも行った。
海がある所では海に
山がある所では山に
孤独を感じる事はなかった。
もう孤独など慣れたように思っていた、
あの日が来るまで。