エクスタシー~極上のオトコ!?~
「私、もう行く」


腹立ちまぎれにブランコを降りたら、いきなり腕を掴まれた。


「な、なに?」


反射的に振りほどこうとした。


けど、きつく握られた手は離れなかった。


「ちょ、ちょっと。やめてよ。離して」


意外なほど強い握力に、私はかなり動揺してブンブン腕を振り回していた。


「もうちょっとだけここに居ろよ」


エクスタシーの声は低く落ち着いていた。


「な、なんで?」


「何でもいいから、あと十分だけ」


そう言って見上げてくる目が、幼い子供のように頼りなく見えた。




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