エクスタシー~極上のオトコ!?~
エクスタシーは不敵な表情を浮かべたまま、片方の唇の端をギュッと持ち上げた。


それはカモを見つけたハンターのような顔だった。


「俺は相手が男でも女でも構わないぜ。けど、俺に会いたかったら、カネを借りろ。ただし、トイチだけどな」


借金しろ、と言われているのに、ノゾミさんは頬を染めた。


「萩野さんの職業って……」


エクスタシーが答える前に私が答えた。


「この人、悪徳金融業者」


「へえぇ。天野先生、意外な交友関係がおありなんですね」


感心したようにうなずくノゾミさんは、それでもうっとりとエクスタシーの顔を見ていた。


以前の私なら、一も二もなく、ノゾミさんの恋を応援したはずだ。


なのに、今は泣きたいような気分だった。



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