エクスタシー~極上のオトコ!?~
尚道はニッコリ笑って助手席のドアを開けた。


前回、この車で送ってもらったときの快適な車内空間を思い出した。


体を包み込むようなゆったりとした革張りのシート……。


高級セダン特有の柔らかい振動。


まさに渡りに船。


「じゃあ、お言葉に甘えて」


アタシはホクホクしながらサイドシートに乗り込んだ。


カーナビの液晶画面に、あたしの好きなミュージシャンのプロモが流れていた。


「あ。リンキンパーク」


「僕、彼らのファンなんですよ」


ふーん……。


ここで、
『アタシも大ファンなんです!』
と言えば盛り上がるんだろう。


が、なんとなく同調するのも邪魔くさくて、アタシは黙った。




< 201 / 417 >

この作品をシェア

pagetop