エクスタシー~極上のオトコ!?~
「これ、どおいうことですか?」


アタシが尚道の手から自分のカートを奪いとると、彼はニッコリ笑った。


「知り合いの旅館です。すべて女将に頼んでありますから、ご不自由はないと思います」


「あのね」


文句を言う前に尚道が自分の腕時計に視線を落とした。


「僕、この後まだ仕事があるので、これで失礼します。ホントは夕食までは御一緒したいと思ったんですが、途中の渋滞のせいで、時間なくなってしまって」


「へ? 帰るの?」


「明日のチェックアウトまでにまたお迎えに上がります」


「マジで?」


「まさか、美穂さんと一緒に泊まろうなんて大それたこと考えてませんよ」


これって、変だ。


まるでアタシの方が誘っているような会話になっているではないか。




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