エクスタシー~極上のオトコ!?~
ノゾミさんが私の手を握り、ニッコリ笑ってくれた。


同性の親友みたいな、温かく柔らかい手だった。


二人で恋人同士のように手をつないで皇居の堀の横を歩きながら、色々な話をした。


「私ね、ちっちゃい頃はお姉ちゃんの影に隠れてばかりいたの」


「お姉さんのこと、よくブログに書かれてますよね」


「うん。今でもそうだけど、お姉ちゃんは小さい頃から目立つ子だった。対照的に、私は人見知りで引っ込み思案だったんだけど、勉強だけはよく出来たの」


ノゾミさんは優しい表情で、私の話を聞いてくれた。


「太ってからはますます勉強にのめり込んだ。どんなに太ってても、お姉ちゃんみたいにモテなくても、勉強さえ出来れば学校でも家でも一目おかれたから」


ノゾミさんには不思議なほど素直な気持ちが言える。


「けど、受験に失敗したの。緊張しまくって第1志望どころか、滑り止めまで落ちて。ショックだった。自分のすべてが否定されたような気がした」




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