エクスタシー~極上のオトコ!?~
「ありがとう。ノゾミさん」


私がそう言って笑顔を作っても、ノゾミさんの顔は曇ったままだった。


「もう少し、調べましょうか。現在の夫婦関係とか」


「ううん。もう、いいの」


「でも……」


私はノゾミさんが見せてくれた経歴書を畳んで、彼に返した。


「最初っから怪しい人だとは思ってたんだ。それなのに、危うく騙されるとこだった。相手はホスト上がりの悪徳金融業者だもん。私みたいな腐女子を手玉にとるのなんて、朝飯前だよね」


「先生……」


ノゾミさんの目が潤んでいる。


私のためにこんな悲しそうな顔をしてくれる人がいる……。


彼の純粋な瞳を見ているうちに、私もこらえきれなくなって泣いてしまった。


私たちは泣きながらケーキを食べた。



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