エクスタシー~極上のオトコ!?~
経歴書にあった住所。


変わっていなければ、彼の住むマンションは隣りの市だ。


私は電車に揺られながら、奥さんと一緒に買い物をしているエクスタシーの姿を思い描いた。


実際に見てしまったら、やはりショックだろうな。


けど、仲睦まじい二人の姿を見たら、きっぱりと諦めがつくような気がした。


自分の中に消え残る未練と決別するために、私は彼のマンションを探して歩いた。


途中、お花屋さんのショーウインドウがあった。


色とりどりのバラと蘭。


あ……。


ガラス越し、花屋の店内で店員と談笑しているエクスタシーを発見した。


マンションを見つける前に、本人を見つけてしまった。




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