エクスタシー~極上のオトコ!?~
エクスタシーは私にスッと背中を向け、歩き出した。


エレベーターホールにとり残された私は、目だけで彼の姿を追った。


通路の両側に病室が並んでいる。


片手にブーケを持ったエクスタシーは、一番奥の病室に消えた。


私はずっと、そこを動けずにいた。


怒った彼の顔が目に焼き付いている。


誤解されたまま帰ることは出来ない。


いや。素行調査の真似事をしたのは誤解じゃないけど……。


彼に何と言って説明したらいいのかわからないまま、一時間近く、私はそこに立っていた。





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