エクスタシー~極上のオトコ!?~
一瞬だけエクスタシーの口許に現れた微笑はすぐに消えた。


「この前……。このまま眠りつづけたら、いつか呼吸器をつけざるをえない日が来るって医者に言われた」


「自発呼吸が出来なくなるってこと?」


私が聞き返すと、エクスタシーはうなずいてベッドの傍に寄った。


「一度つけたら、はずすことは出来ない。だから、そのときに延命治療を行う意思があるかどうか、あらかじめ心の準備をしといてくれって」


公園のブランコで背中を丸めていた彼の姿を思い出した。


「彼女の両親は『これ以上、翔子を苦しめないでくれ』って言うんだ。けど、俺はどんな姿になっても、彼女に生きてて欲しい。死んでしまったら、何もしてやれない。生きてる彼女に償いたい。これって、やっぱりエゴかな」


私には何も言えなかった。






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