エクスタシー~極上のオトコ!?~
それでも私は必死に頼んだ。


「お願い。ファンだって言ってくれる人を失望させたくないの」


「ふーん」


「イケてないって思われたくないのよ」


「ふーん」


「私もお姉ちゃんみたいになりたいの。ねぇ、手伝ってよ」


美穂は呆れたように私を見た。


「手伝って? そんな他力本願なことで痩せられるワケないじゃん」


「で、でも……」


「サプリだけでも運動だけでもダメ。一つのものを食べ続けるのはもっとダメ」


「じ、じゃあ、どうすれば……」


「とにかく、食うな。断食よ、断食。それも、プチ断食なんて手ぬるいもんじゃダメよ。グランデな断食をしなさい。短期間で痩せたかったらね(←良い子は絶対に真似しちゃダメだよ)」


「そんな無理なダイエットしちゃダメって、色んな本に書いてあるけど……」


「バカね。ダイエットは死ぬか生きるかの真剣勝負よ」


「で、でも……」


「あんた、もっとしっかり自分の体を直視しなさい。死に物狂いでやらなきゃ、そのたまりにたまった贅肉がとれるわけないでしょ」


ひ、ひどい……。


美穂は恐ろしく残酷な言葉を残して二階へ上がって行った。



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