エクスタシー~極上のオトコ!?~
蒸し暑いせいか、病室の扉は開け放されていた。


私は入り口の横に立って中の物音に聞き耳をたてた。


「翔子……」


エクスタシーが弱い声で呼びかけるのが聞こえた。


「ごめん……」


その謝罪には私とのことも含まれているんだろうか。


「俺は……」


彼の言葉を遮るように、女の人の声がした。


「あんたなんか……」


それはお腹の底から湧きあがってくるような怒りに満ちた声だった。


「顔も見たくない」





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