エクスタシー~極上のオトコ!?~
「美穂さん……」


尚道はアタシを見て驚いた顔をしている。


「どうして……」


そんなに驚くことか。


「ちょっと銀座まで来たものだから」


「そ、そうですか……」


尚道の目が泳いでいる。


ははーん。


どうやら契約に失敗したな。


それで帰国してたのに、連絡して来なかったのね。


アタシは意地悪な気持ちになった。


ずばり、聞いてやった。


「契約、どうでした?」


尚道はハンカチで額の汗を拭きながら、
「それが……」
と、言葉に詰まった。


「じ、実は仲介者に契約金を持ち逃げされてしまいまして……」


「まぁ……」


想像以上の大失態だ。


「結局、父に頭を下げて穴埋めをしてもらう始末で……」


やれやれ……。


これじゃ一生、あのジジイに頭が上がらないだろう。


やっぱダメね。

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