エクスタシー~極上のオトコ!?~
「彼、別人みたいになってました」


「別人って……どういうこと?」


わけもなく不安になり、私もノゾミさんの方へ体を乗り出していた。


「ファミレスの駐車場にジャガーが停めてあって、何となく中を見たら、運転席のシートで男の人が寝てて」


「それが萩野さんだったの?」


「たぶん……」


ノゾミさんは首をかしげるようにしてうなずいた。


「車の中はゴミだらけで、浮浪者みたいでした。髭も髪も伸び放題ってカンジで、顔も日焼けしてて」


「ウソ……」


以前のエクスタシーからは想像がつかなかった。


「いや。もしかしたら人違いかも知れないんですけどね」


私の不安をぬぐうようにノゾミさんが笑った。



< 370 / 417 >

この作品をシェア

pagetop