エクスタシー~極上のオトコ!?~
メールが入った。


ヒロトからだ。


『外で待ってます』


ウチの前に車を停めてメールしてきたらしい。


しまった……。


今日は彼と映画を見る約束をしていたのを、妊娠騒動のせいですっかり忘れていた。


「じゃ。アタシ、出かけるから」


アタシは商社マンと理沙をリビングに残して外出した。


「お待たせ」


ヒロトが助手席のドアを開けた。


「ごめんなさいね。ちょっとバタバタしてたの。妹がわけのわかんない男の子供を身ごもっちゃって」


遅刻した理由を正直に言うと、ヒロトは『え?』と息を飲んだ拍子に、ごほっごほっ、と思い切り咳き込んでいた。


そして、その件については何も言わなかった。


品行方正な彼はなんとコメントしていいのかわからないのだろう。




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