エクスタシー~極上のオトコ!?~
ヒロトとのデートの帰り、銀座にある尚道の画廊まで送ってもらった。


重いドアを押した瞬間に広がるこの空間……。


やっぱりたまらない。


外ではミジンコの尚道も、ここに立っているときだけは格段ハイソに見えるから不思議だ。


「美穂さん。お呼びだてしてすみません。今日は父があなたに話したいことがあるそうで」


奥のソファに画伯が座っている。


何だろう……。


「今度、六本木の方に、若いマダムをターゲットにしたギャラリーを開きたいと思ってるんですがね」


「素敵ですね」


微笑みながら、内心は『このジジイ、ほんとにヤリ手だ』と思った。


「そちらのオープンから経営までを、あなたにお手伝い頂けないかと思って」


「え?」


「もちろん。今のお仕事に差し障りのないよう、実働部隊としてのスタッフはベテランを揃えます」


やりたい。


心の中では思いっきり食いついていた。


それでも
「私に出来ますでしょうか……。絵画も経営もホントに素人ですし……」
なーんて、謙遜してみせたりする。




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