エクスタシー~極上のオトコ!?~
画伯は鷹揚に微笑みながら、ゆったりと足を組み替えた。


「高級感を保ちながらも『今まで絵に関心がなかった人も入りやすいギャラリー』というのがコンセプトですから、先入観のない若い女性の方がいいんですよ」


「そうですか。新しい試みなんですね」


「そうです。このプロジェクトにはあなたが適任だと思いましてね」


つまり、尚道との将来も見込んでの抜擢なんだろう。


頼りない息子の結婚と商売の両方を成功させようとしている。


よくよく、侮れないジジイだ。


アタシは尚道のことが嫌いじゃない。


いいヤツだってわかってる。


ただ、精神的にも金銭的にも父親から独立しきれていない部分が気に入らない。


が……。


私の力で画廊を繁盛させ、彼を成功に導くのは悪い手段じゃない。


問題は画廊が儲かるための画期的なアイデア……。


「ありがとうございます。けど、少し考えさせてくださいね」


一応、保留にした。




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