エクスタシー~極上のオトコ!?~
「わかってる」


美穂の言う通りだ。


けど、まだ決められない。


「いっそ、ノゾミさんとかいう商社マンに父親役でもやってもらえば?」


そう言われたとき、本当に自分が惨めに思え、泣きそうになった。


父親の代役をたてなきゃならないなんて……。


本当に好きになった人の子供を産みたいだけなのに。


溢れそうになる涙をこらえ、私は唇をかんだ。


でも、後悔はしてない。


今でも萩野さんが好き。


このまま会いに来てくれなくても。


後悔はしない。


口に出せない思いを心が叫んでいた。


ピンポン、と玄関のベルが鳴った。


「ママかな?」


美穂が意地悪く呟く。


私は覚悟を決めた。


「やっぱり、ママにほんとのこと言う」


「マジで?」


驚いた顔の美穂を部屋に残して、私は玄関へ行った。





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