エクスタシー~極上のオトコ!?~
以前と同じようにリビングのソファに寝そべったエクスタシーは
「理沙ぶー。ビールある?」
と聞いてきた。


「あ。うん。たぶん……」


恐ろしいほどマイペースなエクスタシーと女傑の母……。


ハブとマングースの戦いを見る前のような緊張感。


どーしよ……。


これからのことや、会えなかったときのこと。


話したいことが沢山あるのに、それどころではなくなった。


私は冷蔵庫から出したビールをテーブルの上に置いて
「あ、あのね……。大事なこと、言わなきゃいけないんだけど」
と、彼に恐る恐る声をかけた。


「なに?」


エクスタシーは起き上がって、缶ビールのプルトップをカシッと開けた。


「じ、実は私……。えっと……。な、何て言うか……。あ、赤ちゃん、出来ちゃった」


ハハハッと、わけもなく笑っている自分が情けなかった。


「ふうん」


ふうんって……。


反応、薄っ。




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