エクスタシー~極上のオトコ!?~
41.

極上のエクスタシー @理沙

母がエクスタシーに向かって
「それじゃ、萩野さん。ごきげんよう」
と、微笑んで部屋を出た。


それは奇跡としか思えない光景だった。


玄関で母を見送ってすぐ、私は美穂に抱きついた。


「お姉ちゃん。ありがとう。私のためにあんなウソまでついてくれて」


「ウソじゃないから」


「え?」


「ほんとに働いてもらうわよ。ウチのギャラリーで」


「け、けど、新しい画廊って、若い女性がターゲットだって……」


「そうよ。だから、萩野を借りるんじゃないの」


「そんな……」


冗談じゃない。


それじゃ、水商売とおんなじだ。


「ダメだよ。そんなの」


「じゃあ、ママに『私の婚約者は住所不定無職です』って告白する?」


「それは……」


甘かった……。
美穂が打算もなく助けてくれるはずないのだ。


結局、美穂の条件を飲むしかなかった。







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