エクスタシー~極上のオトコ!?~
オープン初日は大盛況。
お祝いの花でいっぱいになったフロアーに華やかな人たちが集っている。
安藤画伯から招待された文化人。
美穂が声をかけたキャビンアテンダント仲間。
美穂はエクスタシーに、彼がホスト時代抱えていた上客にもDMを送らせようとしたが、それはなんとか阻止した。
それでも、彼がギャラリーに居るというウワサはあっという間に広まり、一週間ほどでマダム風の客層が増えた。
美穂の狙いどおりだったが、私はヤキモキした。
厨房からバーやギャラリーをのぞいては、和田さん
に
「何やってんだーっ」
と、叱られた。
私には皿洗い以外にもう一つ仕事があった。
ピピピピピ。
エクスタシーから預かっている古いケイタイが鳴る。
エプロンで手を拭い、ポケットからケータイを引っ張りだして事務的にしゃべる。
「はい。にこにこクレジットです」
怪訝そうな声が返ってきた。
「あんた、誰?」
「にこにこクレジットの関谷です」
「タケル出しなさいよ」
「萩野は退職いたしました。ただ今、にこにこクレジットでは過払いとなっておられる御客様に返金申請手続きのご案内をしております」
「ふざけんじゃないわよッ」
プツッ。
電話が切られた。
お祝いの花でいっぱいになったフロアーに華やかな人たちが集っている。
安藤画伯から招待された文化人。
美穂が声をかけたキャビンアテンダント仲間。
美穂はエクスタシーに、彼がホスト時代抱えていた上客にもDMを送らせようとしたが、それはなんとか阻止した。
それでも、彼がギャラリーに居るというウワサはあっという間に広まり、一週間ほどでマダム風の客層が増えた。
美穂の狙いどおりだったが、私はヤキモキした。
厨房からバーやギャラリーをのぞいては、和田さん
に
「何やってんだーっ」
と、叱られた。
私には皿洗い以外にもう一つ仕事があった。
ピピピピピ。
エクスタシーから預かっている古いケイタイが鳴る。
エプロンで手を拭い、ポケットからケータイを引っ張りだして事務的にしゃべる。
「はい。にこにこクレジットです」
怪訝そうな声が返ってきた。
「あんた、誰?」
「にこにこクレジットの関谷です」
「タケル出しなさいよ」
「萩野は退職いたしました。ただ今、にこにこクレジットでは過払いとなっておられる御客様に返金申請手続きのご案内をしております」
「ふざけんじゃないわよッ」
プツッ。
電話が切られた。