エクスタシー~極上のオトコ!?~
払いすぎている利息を返金すると言っているのに、女性客たちは話すら聞こうとせず、
『タケルを出せ』
の一点張り。


ケータイをポケットに戻し、溜め息をついて顔を上げると、エクスタシーが厨房をのぞいていた。


「理沙ぶー。腹減った」


私は自分のために取っておいたマカナイのオムライスを彼に渡した。


「サンキュ」


ひもじい私を残して素っ気なく行ってしまう。


けど、返ってきたお皿にはオムライスが半分ほど残っている。


こういうところがたまらなく好きだ。


私はこっそり彼にメールした。


『今夜、仲良くしたいなー』


自分で打っておいて顔が熱くなる。


すぐに返信があった。


『了解』


やっぱり素っ気ない。


フロアーではあんなに優しい笑顔で女性客をエスコートしてるのに……。


いや。


アレは仕事だ。


自分に言い聞かせ、ジェラシーを鎮める。


彼のことで、いちいち嫉妬してたら身がもたない。





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