エクスタシー~極上のオトコ!?~
ざわめいてた室内が、突然、シンと静まりかえった。


恐るべき威厳を放つ藤山チーフパーサーの登場だ。


「おはようございます」


チーフの二重アゴがグッと引かれた。


制服を着ていなければ、ただのオバサンなんだが……。


「おはようございます」


あたしたちは上体をまっすぐに伸ばしたまま、四十五度の角度でお辞儀をする。


「今日は天候もよく……」


挨拶に続き、サービスについての指示。


次に注意事項。


真剣な顔を作って、メモをとるフリ。


藤山のブリーフィングは長い。


アクビを何度もかみ殺す。



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