エクスタシー~極上のオトコ!?~
あたしは全身の血が足の裏までひいていくのを感じながら、画伯の元へ駆けつけた。


「お、お呼びでしょうか」


「スチュワーデスさん。絵画とか、興味ある?」


「は?」


「もうすぐ個展があってね」


安藤画伯は拍子抜けするほど、おっとりした口調で言った。


「は、はぁ……」


あたしが曖昧に返事をすると、画伯は
「良かったら、これ」
と笑って、個展のチケットを二枚くれた。


バカヤロウ。


まぎらわしいんだよ。


あたしはピントのズレたジジイを心の中で罵倒しながらも、ニッコリ笑って
「ありがとうございます」
と頭を下げた。


だって、セレブな人たちが招待されて来てるからも知れないから。


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