エクスタシー~極上のオトコ!?~
「乗って」


エクスタシーがサイドシートに身を乗り出すようにして、助手席側のドアを開けた。


う、うそ……。


一瞬、彼がコンビニで愛読しているエロ本のグラビアが頭をよぎった。


身の危険を感じて、動けなかった。


「襲ったりしないって。レイプするんなら、もっと小柄な女にする」


「………」


あまりにも的を射た侮辱。


返す言葉が見つからなかった。


エクスタシーの身長は私より二十センチぐらい高い。


が、たぶん、体重はどっこいどっこい……。


「俺、時間がおしてんだよ。頼むよ」


エクスタシーが手を合わせた。


これ以上、自意識過剰な女だと思われるのも辛かった。


私は『どうにでもなれ』という気分でシートに乗り込み、ドアを閉めた。


ドンッ!


自分でも驚くほど大きな音がした。




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