エクスタシー~極上のオトコ!?~
「わたし、ただの客だから。女としては相手にされてないの」


そう言って寂しそうにうつむく景子ちゃん。


それでも、美穂は追い討ちの手をゆるめなかった。


「だからって、一生、あの男に利息だけ払っていくつもりなの?」


「それは……」


一瞬、言葉に詰まった景子ちゃんは、涙で濡れた睫を毅然と跳ね上げた。


「いつか……。いつかきっと、萩野さんにも私の気持ち、わかってもらえると思う」


たしかに、景子ちゃんみたいに綺麗で一途な女性なら、いつかエクスタシーを本気にさせることが出来るのかも知れない。


ハーッ……。


ドレッサーに映った自分を見て、思わず溜め息をついていた。


美穂に
「なに、あんたが溜め息ついてんのよ」
と指摘され、わけもなく狼狽している私って……。





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