僕らの初恋は淡く鈍い色で輝く
クラス
「1-Bは…っと、ここだ!」
私はもうすでに生徒のいる教室に入った
綺麗に掃除された教室、
場所の整った机…
何もかもが輝いているように見えた
私は自分の机を探し出すと座った
後ろから3番目の席だった
(…ちょっと高いかな)
小学校6年をすぎると、
私は急に背が伸びなくなった
そのため、
中学での背の順はいつも前のほう…
あれから少しは伸びたが、
まだ157cmしかない
そのとき、あのメガネ男子が
この教室に入ってきた
「あ…」
目が合った
メガネくんはフッと笑うと
私から目をそらした
(やっぱかっこいいじゃん)
メガネくんは私の席のある列の
一番後ろに座った
結構近い席だったので
なんとなくうれしかった
「入学おめでとう!」
先生が入ってきた
男の先生で、かなりごっつい
(言っちゃ悪いけど…)
入学式なのにジャージ姿で、
かなり汗だくの熱血教師(?)っぽかった
「私は今日からみんなの担任の
池上泰蔵だ!よろしく!!」
しょっぱなからとてもうるさい
よっぽど、子供がすきなのか…
生まれつきうるさいのか…
「では、出席を取る!
安藤華菜!」
「うわっ…ハイ!」
「うわっは余計だ!!
安藤華菜!!」
「ハイ!!」
「よーし、井上紗那!!」
…びっくりしちゃったしっ!!
クラスの半分の人から
クスクスと笑いが起こる
ああ~もうっいや~っっ!
恥ずかしくなってうつむいた
「桐谷陽真!」
「…はい」
メガネくんも突っ込まれていた
「元気がないぞっ!もっかい!
桐谷陽真!」
「…はい」
返事に変化なし
「おい!
高校生がそんなでどうするんだ!
桐谷陽真!」
「ちょっといいですか」
メガネくんが立ち上がった
「大きい声で返事をすることに
なにか意味でもあるんですか?」
クラスがざわついた