記憶喪失
リセット
ある日突然送られてきた手紙。

“アナタハアシタ
 
 キオクガナクナルヨ”

その一言だけだった―――

そんな手紙が送られてきて、早一週間

もうそろそろ、私は記憶がなくなってもいいんじゃないか、って思ってるところだ。

「はぁー・・・、この先どうしよ」

こうやって溜息をつくことも少なくない。

毎日はそこまで充実してなくて

でも、やっと一週間前、10月31日に15歳の誕生日を迎えたとことだったからすごく悲しい。

こんな風に悩んでいても、必ず明日は来るんだなぁ、とも思う。

「キョウ、キットアナタハコロサレルカラネ……」

はっと聞こえた一言だった。

「リセットボタン、オシチャウヨ☆」

「え……っ」

混乱して何も言えない。

それでも、どんな時でも地球は回って明日は来る。

悲しすぎるよね。

「リセット」

その一言が聞こえた瞬間、私の目から見える世界は全て、回り始めた。

「どういうこと?!」

って言いたいけど、混乱しすぎて言葉も出ない。

これで、人生も終わるのかと思えばストン、と違う世界に落とされたような気分になった。

「ジャアネ、マタアエルカモネ…フフフフフフ……」

―――――――――――――――――――――――――――――

あれ、ここはどこ…?

私は誰?

気付けば、ドラマの典型的なパターンの台詞を口にしていた。

「ここはどこ?私は誰?」

そんな事を口にしているが、実際自分の名前さえ思い出せない。

私はフラフラと歩いているうち、誰かに出会った。

「あれ……?」

それは、誰かが口にした言葉。

そして、後ろを振り向くとそこには

「あれ……?」

誰かと同じ言葉を発していた。

「「私が…い…る?」」



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