あいらぶ先輩!
こんな顔に締まりのないあたしを、ハルキはバカにする?
バカにされたっていい。
これがあたしだもんね。
「...あっそ。」
カナリの沈黙をしてから、そっけなく顔をそむけたハルキ。
あれれ、バカにしないんだ。
広い、ハルキの背中。
さっきまで寝転んでいたからか、少しハネたえりあし。
...ハルキも、カナリ優しいよね。
あたしなんかを助けてくれて。
相談にのってくれて。
今、こうして幸せなのも全部ハルキのおかげ。
照れくさいから、言えないけど。
「んじゃ、ハルキっ。
放課後、よろしくね。」
そう言ってあたしは寒い屋上から出て行った。
放課後、楽しみだな。
爽司に初めてのプレゼント。
せっかくハルキも付き合ってくれるんだし、しっかり選ばなきゃね。
「...んでアイツなんだよ。バカ女..。」
そう言って、ハルキが屋上のドアをずっと見つめていたことなんて。
ひたすら爽司を想うあたしには、知る由も無かった。