あいらぶ先輩!
「あたしが先輩を好きなの知ってて...
ヒドイよぉ...!最低っ。
軽はずみなコトしないでください...」
ちらっと見えた先輩の顔は驚いていた。
あたしが泣いてるからかな。
でも、先輩のせいだよ。
流れ出した涙は崩れた土石流みたいに止まらなくて。
先輩の前で涙を流すのは初めてで。
もぉ、やだ。
先輩きっと困ってる。
先輩を困らせたくない。
困らせたくない、のに...
座り込もうとしたとき、
ふわりと先輩の香りに包まれた。
「...っ...離してよぉ...。」
「...離さねぇ。」
また涙が流れた。
いつも真横を通ったときに薫る先輩の香り。
シトラスのさっぱりとした香り。
あたしを落ち着かせる香り...
先輩は、ずるい。