あいらぶ先輩!



「あたしが先輩を好きなの知ってて...

ヒドイよぉ...!最低っ。

軽はずみなコトしないでください...」






ちらっと見えた先輩の顔は驚いていた。



あたしが泣いてるからかな。


でも、先輩のせいだよ。



流れ出した涙は崩れた土石流みたいに止まらなくて。

先輩の前で涙を流すのは初めてで。



もぉ、やだ。


先輩きっと困ってる。


先輩を困らせたくない。


困らせたくない、のに...



座り込もうとしたとき、

ふわりと先輩の香りに包まれた。




「...っ...離してよぉ...。」


「...離さねぇ。」





また涙が流れた。



いつも真横を通ったときに薫る先輩の香り。


シトラスのさっぱりとした香り。


あたしを落ち着かせる香り...




先輩は、ずるい。





< 11 / 191 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop