あいらぶ先輩!
「え?...あ、爽司っ。」
いきなり声をかけられ顔を上げると、目の前にあたしを見下ろす爽司がいた。
「ボーっとすんなよ。」
耳元で囁かれ、頭をポンポンと撫でる爽司。
そして、ボールをあたしの両手に乗せて、部員の輪に戻って行った。
...このボールを磨けってことですね。
蒸気する頬に手を当てながら、体育館を出て行こうとする。
「ちょっと今の見たぁ?」
「見た!彼女だからって調子のんなっつーの。目障りなんですけど。」
「わかる!早く別れろって、マジ。」
......めちゃめちゃ聞こえてるんですけど...。
むしろ聞こえるように言ってるよね?
あたしが相当気に入らないのか、悪態をつくギャラリーの女の子達。
まぁ、そりゃそうだよね。
何もかもパーフェクトの爽司と、あたしみたいな凡人が付き合ってるんだもん。
...ってダメダメ!
マイナスのこと考えると良い事ないっ。
そのことは、ちゃんと学んだもんね。