あいらぶ先輩!
「...お前さ、誰が好きなわけ?」
「......え?」
振り向いた爽司の顔は、何だか...。
寂しそうな、悲しそうな、苦しそうな...
そんな複雑な表情だった。
爽司の言っていることがわからない。
あたしは爽司は付き合ってるんだから、爽司が好きに決まってるのに...。
「...爽司が好きだよ?」
あたしがそう言っても、爽司の曇った表情は晴れない。
なんで?
わけがわからないよ...。
「...ちょっと距離置かせて。」
爽司のその言葉がズシリとあたしの心に沈んだ。
だんだん小さくなっていく背中...。
その背中から目をそらせなくて...
頭が真っ白で、思考はストップ。
地面に根っこが生えたみたいに、あたしはしばらくそこから動くことができなかった。