あいらぶ先輩!
「市崎爽司なんか、やめとけ。
あんな小っせぇヤツなんてさ。」
ハルキの手があたしの頭に伸びた。
その優しげな手の動きが、妙に心を落ち着けた。
やわらかな手が硬くなり、ピタっと動きを止めた時。
顔を上げると、
ハルキはさっきの穏やかな表情とは打って変わって、怖い顔をしてあたしの向こうを睨みつけていた。
振り向いた先にいたのは、同じく睨みを利かせた爽司。
心臓が脈を打つテンポが速くなる。
頭によぎった光景が重なった。
あの保健室での...。
「なんか用?」
刺々しいハルキの声色。
あたしはぎゅっと握りこぶしを作って、そろそろと立ち上がった。